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渡辺 正; 近藤 昌也
JSME International Journal, Series B, 49(2), p.296 - 301, 2006/05
原子力プラントでは、円柱構造物がさまざまな流れの条件のもとに使用されており、その流動誘起振動現象の解明は原子炉の安全確保にとって重要である。本報告では、数値シミュレーションにより円柱の流動誘起振動現象を解析した結果について述べる。シミュレーションでは、3次元非圧縮ナビエストークス方程式を有限要素法を用いて解き、円柱の運動と流れ場を連成させ、流れ方向及び流れと垂直方向への円柱の振動と円柱に作用する力,流れ場の渦の状態について考察した。流れ方向の振動は、換算流速が4.0以下で起こり、2.5以下では対称渦、2.9以上では交互渦の発生が見られたが、2.6付近では振動は起こらず、実験と良い一致を示した。交互渦の発生する条件では、流れと垂直方向への振動が支配的であり、垂直方向の振動により、円柱の抵抗係数,揚力係数のいずれもが増加し、また、流れ場の渦構造が時間的にも空間的にも微細化することが明らかとなった。
佐竹 信一*; 功刀 資彰*; 内藤 宣仁*; 高瀬 和之; 小瀬 裕男*
第18回数値流体力学シンポジウム講演要旨集(CD-ROM), 4 Pages, 2004/12
乱流は原子炉内でよく見られる現象であり、流体中の乱れのエネルギーによって伝熱機構や流動パターンが大きく変化することがわかっている。特に、磁場中においては流路内の速度分布は壁近傍で特有の速度勾配を持つことが指摘されている。そこで、磁場中における大規模乱流構造を直接計算によって調べた。基礎方程式は直交座標の3次元非圧縮性Navier-Stokes方程式と連続の式である。空間方向の離散化は、流れ方向にフーリエスペクトル法、流れと垂直方向に二次精度中心差分を用いた。また、時間方向には、非線形項は三次精度Runge-Kutta法、粘性項はCrank-Nicolson法で離散化した。一連の解析で予測した磁場中における高レイノルズ数乱流速度分布は、実験値とよく一致することがわかった。本提案の解析手法を使って磁場中における乱流構造を直接計算できる高い見通しが得られた。